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タイプフェイスデザイン・探訪2

[活字書体をつくる]新しい活字書体として復刻するための覚え書きです。頻繁に修正・加筆しますのでご了承願います。

00-3「K.E.Gemini」の書風

K.E.Geminiは、ウィリアム・キャズロン(1692−1766)が製作した活字(再鋳造)が使用されている『The Diary of Lady Willoughby』(1844年)から抽出したキャラクターをベースに制作した。 Caslon 540、Adobe Caslonなど既存の復刻書体を参考にしながら、不…

00-2「K.E.Taurus」の書風

K.E.Taurusは、パリのクロード・ギャラモン(?−1561)が製作した活字が用いられている『ミラノ君主ヴィスコンティ家列伝』(1549)から抽出したキャラクターをベースに制作した。 Stempel Garamond、Adobe Garamondなど既存の復刻書体を参考にしながら、不足…

00-1「K.E.Aries」の書風

K.E.Ariesは、フランス人の印刷者ニコラ・ジェンソン(1420?−1481)が製作した活字が用いられている『博物誌』(1472年)の1ページを参考にして制作した。 Monotype Centaur、Adobe Jenson など既存の復刻書体を参考にしながら、不足のキャラクターも含め…

00 はじめに

欣喜堂で欧字書体として制作しているグリフをまとめておく。 Proportional-pitch font 文章や単語にもちいるために、キャラクター個々の字幅を設定した欧字を制作している。 Basic Latin Glyphs ラテン文字のCapital letters, Small letters, Lining Figures…

00-3「まどか」の書風

青山進行堂活版製造所『富多無可思』(1909年)の83ページに所載の四号楷書体活字からキャラクターを抽出した。株式会社東京築地活版製造所『活版見本』(1903年)の19ページも参考にした。復刻において、いちばんたいせつなのは書風を把握することである。…

00-2「きざはし」の書風

東京築地活版製造所印刷『長崎地名考』(安中書店蔵版、1893年)および『五号明朝活字書体見本 全』(東京築地活版製造所、1894年)からキャラクターをサンプリングした。その上で、全体的に太さ、大きさ、姿勢、寄り引きなどを見直した。現代から未来にかけ…

00-1「かもめ」の書風

内閣印刷局『内閣印刷局七十年史』(1943年)からキャラクターをサンプリングしたものをアウトライン化した。小さいポイントなので、まずはもとの線質を再現することからはじめた。基本的な書風を見極めながら、大きさをそろえたり、太さをそろえたり、寄り…

00 はじめに

欣喜堂で制作している和字書体のフォントは、ひらがな、かたかな、および表記記号(約物・括弧など)が含まれている。 ひらがな ①ひらがな48字ひらがな48字(清音・撥音)を制作する。 ②音声符号付ひらがな濁音符(゛)と半濁音符(゜)を、かたちと大きさを…

00-6「蛍雪」の書風

『欽定全唐文』(1814年、揚州詩局)の1ページを拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「蛍雪」として完成させていく。

00-4「金陵」の書風

明末の南京国子監刊本である『南斉書』(1588-1589)の1ページを拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「金陵」として完成させていく。

00-2「龍爪」の書風

宋代の四川地方の刊本である静嘉堂文庫所蔵の『周礼』(巻第九・巻第十)を拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「龍爪」として完成させていく。

00 すべては書風のために

書体設計においては、どうしても一つひとつの文字の形にとらわれがちであるが、書風を見ることが大事だと思う。書風というのは、文章を組んだときの全体の雰囲気である。 筆法・結法・章法を見極めることも、すべては書風のためにある。 基本は書写にある。…

12 字間

『周礼』巻第九の第1ページの字間 文字と文字が接触するほどきつくなっている。文字の大きさは画数によって異なり横のラインはそろっていないが、16字詰めということは維持されている(天地揃え)。活字書体「龍爪」で再現すると、1文字ごとにセット幅を持…

11 布置(整列・姿勢)

布置布置とは、文字を正確な位置に調整することである。 整列活字角のなかに字面を置く基準は、字面の中心を、活字角の中心にあわせることだ。具体的には活字角に字を置いてみて、天地左右の空間の均衡がとれているかということで判断する。天地左右の空間が…

10 字角・字面・余白

字角(ボディ)「字角」(ボディ)とは、活字書体を設計するスペース。すなわち活字一字分の大きさをボディ(写真植字では「仮想ボディ」)という。 字面(タイプフェイス)この活字角の中で、活字に彫られている字の表面を「字面」(タイプフェイス)という…

9 左右法・上下法・包囲法

◆左右法 第十九法 左寛右窄法 第二〇法 左窄右寛法 左部を広く右部を狭くする結法と、左部を狭く右部を広くする結法である。 第二一法 譲左法(じょうさほう) 第二二法 譲右法(じょうゆうほう) 旁をひかえる結法と、偏をひかえる結法である。偏と旁の関係…

8 整斉・参差

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。筆法をエレメント、結法を字形という人もいるが、わたしは筆法、結法ということにしている。 結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四…

7-7 「美華」の概形・抱懐

第一法 長法 「美華」の東字も、概形・抱懐から見れば、自・身・月と同じように、長形になっている。中央の閉じられた部分を締めることによってもともとの長形のイメージを保ちつつ、横画を長くして、より正方形に近づこうとしている。そのため、最大字面の…

7-3 「志安」の概形・抱懐

第一法 長法 「志安」の東字も、最大字面は正方形に近いが、概形・抱懐から見れば、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。概形・抱懐が「陳起」よりさらに長方形になっているのは「志安」が、全体的に長形になっているということ…

7-1 「陳起」の概形・抱懐

第一法 長法 「陳起」の東字を箱に入れようとすると、豎画と掠・磔の先端があるので、その箱は正方形に近い。だが、概形・抱懐を重ね合わせると、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。最大字面との差は大きいが、抱懐を極端に締…

7 概形・抱懐

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四法」を下敷きにして、活字書体に当てはまらない八法を除いて「活字書体結構三十六法」として再…

6-1 「陳起」の主要十二部首

①人部 第二画の起筆①は接触しているので軽くし、収筆②に向かって太くなっている。 ②土部 字種によって異なるが、第一画の起筆①より第三画の起筆②のほうが内側になることが多いようだ。第三画③は「収筆を省略した横画」という意識で水平に近くなっている。 ③…

6 主要十二部首

筆法の複合形として、ちくま新書の『日本の文字』(石川九楊、筑摩書房、2013年)に倣って、主要な部首をまとめてみた。これを「主要十二部首」ということにする。 少し整理して、①から⑤が偏、⑥と⑦が傍、⑧が冠、⑨が脚、⑩が垂、⑪が繞、⑫が構という構成に改め…

5-1 「陳起」の追加十二則

①折釘 転折以降は直角ではなく、下方を締めるように左に倒して書く。 ②曲尺 転折以降は直角になり、垂直になるように書く。 ③散水 第二画が左に出て、第三画でまたもとに戻る。第三画は長く跳ね上げる。 ④綽勾 永字八法の弩法+趯法とはことなり、しなやかに…

5 追加十二則

さらに細かいところでの筆法として、ちくま新書の『日本の文字』(石川九楊、筑摩書房、2013年)に倣ってまとめてみた。これを「追加十二則」ということにする。 ①折釘 折れた釘にようだから「折釘」という。口の書き方。第二画の転折以降は直角ではなく、下…

4-10 「端午」の補足十二法

①宝冠 「銘石」と同じように、縦筆、横筆、縦筆で構成される。 ②獅口 横筆は水平を保ち、転折以降は包み込むように運筆し、そのまま回すように払う。 ③浮鵞 直角に曲がり、収筆で右上に回すように払う。 ④飛雁 やや浅いカーブで、右に回すように払う。 ⑤鳳翅…

4-9 「銘石」の補足十二法

①宝冠 これまで記してきた楷書系統の書体とはことなり、縦筆、横筆、縦筆で構成される。 ②獅口 横筆は斜めになり、転折以降はゆるやかにカーブしているが跳ねない。 ③浮鵞 直角に曲がり、収筆で右上に抜く。跳ねない。 ④飛雁 やや深いカーブで、右上に抜く。…

4-8 「方広」の補足十二法

①宝冠 第一画は起筆から左下に引く感じ。第二画は転折でしっかり留めゆっくり跳ねる。 ②獅口 転折以降は包み込むように運筆し、ゆっくり跳ねる。 ③浮鵞 丸みを帯びながら運筆し、ゆっくり跳ねあげる。 ④飛雁 やや深くカーブさせ、ゆっくり跳ねあげる。 ⑤鳳翅…

4-7 「美華」の補足十二法

①宝冠 第一画は雨だれ型にまとめる。第二画は転折を強くし、勢いよく跳ねる。 ②獅口 横筆は直線で、転折以降はゆったりと包み込むように運筆する。 ③浮鵞 縦筆は直線だが、横筆へとなめらかに見えるように画く。 ④飛雁 比較的深くカーブさせる。 ⑤鳳翅 転折…

4-6 「蛍雪」の補足十二法

①宝冠 第一画は少し長い。第二画の転折は強く、短く跳ねる。 ②獅口 横筆はほぼ直線で、転折以降はゆったりと包み込むように運筆する。 ③浮鵞 ゆったりと丸く膨らませながら運筆し、収筆で跳ね上げる。 ④飛雁 起筆から少し膨らませながら運筆し、収筆で跳ね上…

4-5 「武英」の補足十二法

①宝冠 第一画は短く丸い。第二画の横筆はほぼ直線で、転折では強く押さえ短く跳ねる。 ②獅口 横筆はほぼ直線で、転折以降は丸く包み込むように運筆する。 ③浮鵞 ゆったりと湾曲し、横筆は膨らみをもたせる。収筆で短く跳ねる。 ④飛雁 起筆から大きく膨らませ…

4-4 「金陵」の補足十二法

①宝冠 第一画は回しながら描き、収筆は雨だれのように丸くなる。第二画の横筆はほぼ直線で、転折では強く押さえ鋭く跳ねる。 ②獅口 横筆はほぼ直線で、転折では強く押さえ、丸く包み込むように運筆する。 ③浮鵞 ゆったりと湾曲し、横筆も膨らませる。収筆で…

4-3 「志安」の補足十二法

①宝冠 第一画の起筆は丸く、やわらかく収める。第二画はやや反りながら転折で強く押さえている。 ②獅口 横筆は斜めに下がり、転折はきわめて軽い。転折以降も包み込むように運筆する。 ③浮鵞 ゆったりとやわらかく湾曲させる。収筆で真上に思い切り跳ねる。 …

4-2 「龍爪」の補足十二法

①宝冠 第一画は起筆が強く、直線的で長い。第二画は転折で強く押さえている。 ②獅口 横筆は斜めに下がっていて、転折は強めである。転折以降は包み込むように運筆する。 ③浮鵞 直角的に湾曲させる。収筆で少しもどしてから跳ねる ④飛雁 斜めに反るように運筆…

4-1 「陳起」の補足十二法

①宝冠 第一画は強く直線的に。第二画は転折で強く押さえ、短く払う。 ②獅口 横筆は下げない。転折以降は直線的である。 ③浮鵞 直角的に湾曲させる。 ④飛雁 斜めに反るように運筆し、収筆で右上に跳ね上げる。 ⑤鳳翅 転折から少し内側にもどるように運筆し、…

4 補足十二法

「永字八法」では、多くの筆法が不足している。その不足を埋めるものとして、「変化法」とよばれるものがある。その中から、まず必要最小限のものとして、ちくま新書の『書を学ぶ』(石川九楊、筑摩書房、1997年)に倣って「補足十二法」としてまとめてみた…

3-10 「端午」の永字八法

①側 等線体だが起筆と収筆はある。とくに下方のアウトラインが短くなることのないよう、切口の角度に注意が必要である。(「亀頭」は、「端午」では短い竪画のようになる) ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺と…

3-9 「銘石」の永字八法

①側 隷書の筆法を残すために、逆反りにした。右向きの楔形になる場合もある。 ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺となる。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の竪画と同じ。起筆は「勒」の収筆と一体化している。収…

3-8 「方広」の永字八法

①側 少し湾曲した柿の種のような形状になる。(「亀頭」は、「方広」では短い竪画のようになる) ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。収筆は「弩」の起筆と一体化して、力強い曲尺となる。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の竪画と同じで背勢となる。…

3-7 「美華」の永字八法

①側 少し長めに運筆する。収筆は「金陵」と同じく雨だれのように丸くなる。 ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じだが、収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺となっている。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の竪画と同じで、起筆は「勒」の収筆と一体化し…

3-6 「蛍雪」の永字八法

①側 素直な運筆で、柿の種のような形状になる。 ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺となるが、それほど強くはない。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の竪画と同じ。起筆は「勒」の収筆と、収筆は「趯」と一体化し…

3-5 「武英」の永字八法

①側 「金陵」より若干短い。収筆は「金陵」と同じく雨だれのように丸くなる。(「亀頭」は短い竪画のようになっている) ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じだが、収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺となっている。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の…

3-4 「金陵」の永字八法

①側 回しながら描いてゆき、収筆が雨だれのように丸くなる。(「亀頭」は短い竪画のようになっている) ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じだが、収筆は「弩」の起筆と一体化して曲尺となっている。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の竪画と同じで、起…

3-3 「志安」の永字八法

①側 永字では、つぎの「勒」への気脈が通じるように跳ねているが、収筆からそのままそっと引き抜く筆法もある。(「亀頭」は短い竪画のようだが、斜めになっている) ②勒 起筆は「側」からの気脈を通じさせて、しっかりと折り返している。収筆は「弩」の起筆…

3-2 「龍爪」の永字八法

①側 収筆が尖って三角形のようになる。(「亀頭」はなく、ほとんどが「側」になっている) ②勒 起筆は40度で入る。収筆は「弩」の起筆と一体化しているので龍爪の強さが薄められている。折り返し角は50度である。 ③弩 起筆は「勒」の起筆と、収筆は「趯」と…

3-1 「陳起」の永字八法

①側 収筆が尖って三角形のようになる。(「亀頭」は、「陳起」では短い竪画のようになっている) ②勒 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。収筆は「弩」の起筆と一体化している。 ③弩 「十字二法」「川字三法」の豎画と同じ。起筆は「勒」の収筆と、収筆…

3 永字八法

①側(ソク) 「側」は筆と筆先の側面を使ってえぐるように書く。三折法。二折法である亀頭(キトウ)については随時ふれる。 ②勒(ロク) 「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。「勒」は馬の頭に掛けて馬を御する革紐のことで、革紐を引き締めるように書く…

2-10 「端午」の三字三法・川字三法

1 三字三法(横画) 第1画、第2画、第3画とも水平の直線になっている。「仰」「平」「覆」の区別はない。 2 川字三法(豎画) 第1画、第2画、第3画とも垂直の直線になっている。「向」「直」「背」の区別はない。

2-9 「銘石」の三字三法・川字三法

1 三字三法(横画) 横画はすべて水平である。 第1画、第2画は波形をもたない。画の長さは、第1画が第3画の70%、第2画が55%ぐらいだが、原資料「王興之妻宋和之墓誌」では同じぐらいの長さになっている。第3画は大きく波形をもつところだが、「銘石」は波形…

2-8 「方広」の三字三法・川字三法

1 三字三法(横画) ①第1画は収筆部にむけて上に反る。上側のアウトラインが弓なりになっている。基本の6度よりも急で、およそ9度ぐらいだ。画の長さは短く、第3画の70%である。 ②第2画はまっすぐに運筆する。角度も6度ぐらいだ。画の長さは、第3画の60%で…