活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

漢字・第6回 永字八法

①側(ソク)

「側」は筆と筆先の側面を使ってえぐるように書く。三折法。二折法である亀頭(キトウ)については随時ふれる。

②勒(ロク)

「十字二法」「三字三法」の横画と同じ。「勒」は馬の頭に掛けて馬を御する革紐のことで、革紐を引き締めるように書く。三折法横画。二折法である策(サク)が別項にある。

③弩(ド)

「十字二法」「川字三法」の竪画と同じ。「弩」は石を遠くに放つ石弓のことで、左に反るように書く。三折法。二折法である懸針(ケンシン)、中間法である垂露(スイロ)については随時ふれる。

④趯(テキ)

「趯」は高く抜きんでるように躍り上がること。二折法。筆を左に回してから跳ね上げている。三折法である二段の趯は随時ふれる。

⑤策(サク)

「策」は鞭のことで、鞭で叩くように書く。二折法横画。「勒」と同じ横画の筆法で重複しているが、「策」は二折法である。

⑥掠(リャク)

「掠」はかすめることで、女性の長い髪を梳くように、ゆったりと左に払う。三折法撇画。二折法である「啄」が別項にある。

⑦啄(タク)

「啄」はついばむことで、キツツキが木を叩くように書く。「掠」と同じ撇画の筆法で重複しているが、「啄」は二折法である。

⑧磔

「磔」は裂くことで、肉を引き裂いて金刀が骨まで達するように、力を入れてじっくりと右に払う。三折法捺画。二折法捺画である「瓜子(カシ)」については随時ふれる。