活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「端午」の十字二法

『瞿秋白文集 一』(人民文学出版社、1953年)をベースにした「端午」の字様をみていきたい。この見出し書体も、細部についてはさまざまな解釈ができると思う。まだ試作の段階であるが、現時点での私なりの解釈によって書き進めていくことにする。 現代の黒…

「銘石」の十字二法

王興之墓誌(341年)と宋和之墓誌(348年)をベースにした「銘石」の字様をみていきたい。この墓誌銘の字様は、これまで見てきた楷書系書体とはことなり、東漢の隷書体から北魏の真書体への中間だといわれている。これを、隷書体にちかいものとして捉えるこ…

「方広」の十字二法

『大方廣佛華巖経』(990年—994年、龍興寺)をベースにした「方広」の字様をみていきたい。「方広」は仏教経典・儒教経典で用いられた荘厳で権威的なイメージのある肉太の楷書体である。 仏教経典の印刷は唐代から行われており、時代と地域を越えて、経典の…

「美華」の十字二法

『舊約全書』(1865年、美華書館)をベースにした「美華」の字様をみていきたい。『舊約全書』の本文書体は5号活字である。細部については、さまざまな解釈ができると思う。まだ試作の段階であるが、現時点での私なりの解釈によって書き進めていくことにする…

「蛍雪」の十字二法

『欽定全唐文』(1814年、揚州詩局)をベースにした「蛍雪」の字様をみていきたい。「蛍雪」は工芸の文字として整理がすすんでおり、一般的に楷書体と一括される書体のなかでも、「宋朝体」「明朝体」と同格に、印刷書体としての「清朝体」として分類すべき…

「武英」の十字二法

清代前期の武英殿銅活字本『古今図書集成』(1726年、武英殿)をベースにした「武英」の字様をみていきたい。 これまでみてきた楷書系書体がそうであるように、「武英」もまた横画が細く豎画が太い。ファミリー化にあたっては、横画は細いままで、豎画のみ太…

「金陵」の十字二法

明末の南京国子監刊本である『南斉書』(1588年−1589年)をベースにした「金陵」の字様をみていきたい。 「金陵」もまた横画が細く、豎画が太い。ファミリー化にあたっては、横画は細いままで、豎画のみ太くすることになる。 1 横画 明代にいたって、横画の…

「志安」の十字二法

元代の福建地方の刊本である『分類補註李太白詩』(1310年、勤有書堂)をベースにした「志安」の字様をひもといていきたい。 「志安」も横画が細く、豎画が太くなっているので、ファミリー化する場合には、横画は細いままで、豎画のみ太くすることになるだろ…

「龍爪」の十字二法

宋代の四川地方の刊本である『周礼』(巻第九・巻第十、静嘉堂文庫所蔵)をベースに制作した「龍爪」の字様をひもといていきたい。 「龍爪」もまた横画が細く、豎画が太い。ファミリー化にあたっては、横画は細いままで、豎画のみ太くすることになるだろう。…

「陳起」の十字二法

臨安府棚北大街陳宅書籍鋪刊行の『南宋羣賢小集』(五八種九五巻)をベースにした「陳起」の字様をひもといていきたい。「陳起」は、工芸の文字として様式化がすすんでいるが、書写における楷書体の筆法を色濃く継承している。 横画は細く、豎画は太い。ファ…

漢字・第5回 十字二法

十字二法は横画と豎画で構成される。 豎画は柱、横画は梁である。 1 横画 横画は、起筆・送筆・収筆から成り立つ(三折法)。 2 豎画 豎画は、起筆・送筆・収筆から成り立つ(三折法)。 十字二法の展開として、「三字三法・川字三法」というのがある。三…