活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

2015-01-01から1年間の記事一覧

嚮搨と双鉤填墨、臨書(形臨、意臨、背臨)

書体設計においては、どうしても一つひとつの文字の形にとらわれがちであるが、書風を見ることが大事だと思う。書風というのは、文章を組んだときの全体の雰囲気である。 筆法・結法・章法を見極めることも、すべては書風のためにある。 基本は書写にある。…

漢字・第16回 字角と字間

字角(ボディ)「字角」(ボディ)とは、活字書体を設計するスペース。すなわち活字一字分の大きさをボディ(写真植字では「仮想ボディ」)という。 字間(レタースペース) 『周礼』巻第九の第1ページの字間 文字と文字が接触するほどきつくなっている。文…

漢字・第18回 布置(整列・姿勢)

布置布置とは、文字を正確な位置に調整することである。 整列活字角のなかに字面を置く基準は、字面の中心を、活字角の中心にあわせることだ。具体的には活字角に字を置いてみて、天地左右の空間の均衡がとれているかということで判断する。天地左右の空間が…

漢字・第17回 字面と余白

字面(タイプフェイス)この活字角の中で、活字に彫られている字の表面を「字面」(タイプフェイス)という。字面はふつう活字角よりも小さくなる。掠法や磔法の先端までふくめた字面を「最大字面」、見た目の字面を「標準字面」といっている。掠法や磔法の…

漢字・第14回 上下法

第二七法 上蓋下法 第二八法 下載上法 上部で下部を覆う結法と、下部に上部を載せる結法である。同じ「宀」でも、結法によって幅が違ってくる。上蓋下法(蓋とはおおうという意味)とは冠が下部を全部覆うようにする結法である。下載上法とは下の横画に上部…

漢字・第12回 整斉と参差

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。筆法をエレメント、結法を字形という人もいるが、わたしは筆法、結法ということにしている。 結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四…