活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

和字・第22回 検査

…… 基礎的な修練を積んだタイプフェイスデザイナーでも、視点を変えることにより不具合を発見できる。最初に方向性を確立して進めたとしても、何度も試行錯誤して積み上げていき、全部完成した時にやっとその書体がわかる。 活字書体設計というのは虚像であ…

和字・第21回 カーニング

…… 手動写真植字機では、喰い込み詰め組用仮名文字盤が製作されていた。喰い込み詰め組用という名称であるが、実質的にはカーニングである。 喰い込み詰め組用仮名文字盤として、隣接2文字を喰い込ませた状態(ペアカーニング)の2全角で収容し、一度に2…

和字・第20回 プロポーショナル

…… 手動写真植字機では詰め組用仮名文字盤が製作されていた。詰め組用という名称であるが、実質的にはプロポーショナルである。つまり一字ごとに字幅(セットウィドゥス)を設定している。 詰め組用仮名には、自動字巾検出送り機能を持ったPAVO–J以降のPAVO…

和字・第19回 くくり符号

…… くくり符号は、起こし(始め)と受け(閉じ)の組み合わせで用いられる。和字書体だけで日本語の文章を表記することもあるので、和字書体のフォントに含まれると考えている。書体ごとにデザインするのであるが、ひらがな・カタカナと同じ書き方にするとい…

和字・第18回 くぎり符号・つなぎ符号

…… 1 くぎり符号(縦組み用、横組み用) 句点「。」(縦組み用、横組み用) 形状 正円を基本とする。 ※書体によっては、ひらがなと同一の筆記具で書かれたように設計する場合もある。 位置 縦組み用は全角のボディの右上に、横組み用は全角ボディの左下に置…