活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

漢字・第21回 偏と旁の関係

…… 文字(文と字)の成立段階は、「六書」という表現でまとめられる。六書とは、漢字の成り立ちと使い方の基本的な原則で、象形・指事・会意・形声・転注・仮借という六種類がある。このうち、転注・仮借は、漢字の使い方に関する原則である。 象形とは物の…

漢字・第20回 大きさの調整

…… ひとことで大きさの調整といっても、易しいことではない。 活字書体の学習の第一歩として、まず◆、■、▲、▼のように図形で練習する。◆に対して、■は小さくしないと同じ大きさにはならない。どのぐらいのい大きさにするのかを感覚的につかむ練習をするので…

漢字・第19回 太さの調整

…… 書体見本に「鬱」「酬」「鷹」を入れている活字書体の制作プロダクションがある。 漢字には「三」「力」「今」といった画数の少ない字種から、このような画数の多い字種もある。「三」「力」「今」と「鬱」「酬」「鷹」の画線を同じ太さにすると、文字全…

和字・第24回 展開

…… 字面サイズの展開 写植の石井明朝体には、字面率が大きい「大かな」、字面率が小さい「小がな」というファミリー展開があった。 この考え方はデジタルタイプでも多く踏襲されている。標準(ノーマル)に対して、大かな(ラージ)、小がな(スモール)を制…

和字・第23回 混植

…… 活字書体は実際に文章を組んでみなければ評価できない。書体の出来栄えを判断するには文章組が必要である。和字書体のイメージは、漢字書体、欧字書体との混植で初めて確認できるのである。 和字書体だけの文章 和字書体だけでの文章組みとしては、まず「…