「龍爪」の三字三法・川字三法
1 三字三法(横画)
①第1画はほぼ直線になっているので、基本とする6度という角度より急の9度ぐらいになっている。それを収筆部の龍爪で押さえている。画の長さは短く、第3画の85%ぐらいだ。
②第2画はまっすぐ運筆している。角度も基本の9度になっている。画の長さは、第3画の70%ぐらいで、かなり短くなっている。
③第3画はほぼ直線で、角度も基本の6度になっている。収筆部の龍爪がかなり大きく強くなっており、グイッとつかんでいるようにして、文字全体に安定感をあたえている。当然、画も一番長い。
「龍爪」の場合には、仰・平・覆すべてが直線で、角度の差と龍爪の形状で変化をつけようとしている。この書体の最大の特徴である龍爪が強調されているようだ。龍爪の存在感は大きい。
2 川字三法(豎画)
①第1画は左のアウトラインが右にしなっている。画の長さは、第2画より長く、第3画より短い。収筆は左にカーブを描きながら引き抜いているのも「陳起」と同様である。
②第2画はまっすぐである。画の長さは第3画の70%で、収筆は垂露である。
③第3画は、左のアウトラインはまっすぐだが、右のアウトラインで少し変化をつけている。画は一番長い。
横画の3画はすべてがほぼ直線だったが、豎画の3画は向・直・背が明確だ。文字全体は「背勢」で、第1画と第3画が反り合ったように構成されている。起筆は3画とも長くてしっかりしている。