活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第6回 ふでづかいのくみあわせ

ひらがなは、部品を組み立てて成り立っているのではない。便宜上、第1筆、第2筆というような言い方をする場合はあるが、正確に分けられるものではない。たとえ脈絡でつながっていなくても、書き始めから書き終えるまで、すべての線が一筆書きのように気脈でつらなっている。

 

「よこ」から「たて」へ

ひらがなの筆づかいの組み合わせについてのいちばんの特徴は、「よこ」から「たて」への筆づかいである。「あ」「お」「た」「な」「さ」「せ」「ち」など、この筆づかいが多く見られる。

「よこ」と「たて」が脈絡でつながっている場合と、離れている場合がある。離れている場合でも、筆が紙から浮いているだけで運筆の上ではつながる。筆の動きを感じながら、気脈を意識して設計しなければならない。

 

「たて」から「よこ」へ

「よこ」から「たて」の組み合わせでは交差することが多いが、「け」「は」「ほ」の第1筆から第2筆への「たて」から「よこ」へのような組み合わせでは交差しない。「ね」「れ」「わ」では少しだけ交差する。

「たて」から「よこ」への組み合わせでも、脈絡でつながる場合と、離れている場合がある。脈絡でつなげるか離すかで、その書体の特徴を決める重要なポイントである。離れている場合でも気脈を意識して設計することになる。

 

「まわし」から「はらい」へ

ひらがなの性格を決める筆づかいとして、右回り(時計回り)の螺旋状で、「まわし」から「はらい」への組み合わせがある。

中学書写で学習する「行書に調和するひらがな」では、下方に向かう度合いが大きいが、一字一字が独立した形になる「楷書に調和するひらがな」では払いの先が横方向に払う。最近の活字書体の傾向だと、巻き込むように横に向かうことが多い。

 

「まわし」と「あたり」と「とめ」

左回り(反時計回り)の蛇腹状だと、「まわし」から「あたり」、もしくは「まわし」から「とめ」につながる。ひらがなは縦方向につながっていく文字体系なので、右回りだとそのまま下に向かうが、左回りだと一度「あたり」になってから下に向かうことになる。「とめ」は「あたり」の途中の状態だと思う。

例外として「れ」と「し」がある。「れ」は上に払っているが、つぎに来る文字によっては、「あたり」になる場合もある。「し」も上に払っている形状だが、「行書に調和するひらがな」ではそのまま下に引き抜くこともある。