活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第13回 ひらがなのならべかた

中学校の書写の教科書では、「漢字かな交じり文」のなかに「文字の大きさと配列」という項目がある。活字書体の場合にはボディの制約があるので、書写やレタリングのように自由ではない。ボディのなかで、どのくらいの大きさで、どの位置に入れるかということになる。

 

大きさ(ボディに対する字面の占有率)

ボディに対する字面の占有率(以下、字面率とする)は、ボディ枠を100%としたときに、ひらがな48字を重ね合わせて黒くなった部分が何%になっているかで、具体的に数値化することができる。

字面率は、書体によって異なっている。字面率が大きいほど文字間隔は狭く、占有率が小さいほど文字間隔は広くなる。

どのぐらいの大きさになっているかは、書体によって異なっている。ひらがなの字面率は、ひらがなの字面と間隔のバランスで決定されるべきであるが、現実的には組み合わせを想定する漢字書体との関係が影響することが大きい。つまり、同じ漢字書体であっても、漢字書体と和字書体を同じ大きさにして見た目の統一感を優先するか、漢字書体に対して和字書体を控えめにして読みやすさを優先するかということである。

 

寄り引き(ボディに対する字面の位置)

基本的には、全角のボディに対して、見た目で真ん中になるように天地左右のアキを見ながら配置するということである。欧字書体と違ってラインで揃えるということではなく、寸法で決まることでもなく、見た目で判断するということだ。個人の判断で決まることになり、難しいことなのである。

ひらがなは、横組専用あるいは縦組専用として制作される場合を除き、縦組みと横組みの両方で使用されることを前提にしなければならない。視覚的に天地左右の中心にしたとしても、縦組みと横組みで異なる見え方をしないかどうかも考慮する必要がある。

最終的には、実際に組んでみて寄り引きを調整することになる。ちょっと間違えば組んだ時に致命的な欠陥として出てきてしまう。一字一字を活字書体として使えるようにするという重要な作業である。

 

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傾き(ボディに対する字面の姿勢)

とくにひらがなでは、その一字だけで見るとよくできていると思っても実際に並べてみると、前のめりであったり、回転していたりしていることがある。この場合、位置の調整では直せないので、結構そのものを修整する必要がある。