活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

和字・第15回 濁音符と半濁音符

濁音符(濁点)

濁音であることを示すために、清音のかなの右肩に打つふたつの点。

半濁音符(半濁点)

半濁音であることを示すために、清音のかなの右肩に打つ小さな丸。 

なお、本記事においては濁音から濁音符を除いた(清音と同一の)部分を親字ということにする。

親字+濁音符(濁点)=濁音

親字+半濁音符(半濁点)=半濁音

 

濁音符と半濁音符の大きさ

親字に対する濁音符と半濁音符の大きさについては決まっていないが、発音に関する重要な部分なので、しっかりと判別できるようにする。

とくにルビ用のように小サイズで使用するための書体では、本文用よりも大きくするのが一般的である。

 

濁音符と半濁音符の位置

活字の場合には縦組み、横組み共通で、ボディの右上隅に置くことが基本である。

1 「じ」「ペ」など親字と離れすぎる場合には、親字と一体感を保つように適切な距離に近づける。右上という基準からは離れないようにする。

2 「で」など親字と近くなる場合には、判別性を損なわない範囲で位置を移動する。

 

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見方を変えれば、縦組みの場合には親字の右側に上付き、横組みの場合には親字の上側に右付き。

 

濁音符と半濁音符の形状

親字を変形することなく、共通の形状の濁音符と半濁音符をそのまま付けることが基本である。

1 「げ」「ば」などボディの右上隅に入れられない場合、濁音符の形状を変形する。この場合でも、基本的な形状から離れないように留意する。

2 「ゾ」「ヅ」「ヴ」「ブ」など、書体によってボディの右上隅にそのまま入れられない場合、親字の形状を変形することもある。この場合でも、親字の形状を大きく損なわないように留意する。