活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第19回 くくり符号

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くくり符号は、起こし(始め)と受け(閉じ)の組み合わせで用いられる。和字書体だけで日本語の文章を表記することもあるので、和字書体のフォントに含まれると考えている。書体ごとにデザインするのであるが、ひらがな・カタカナと同じ書き方にするというわけではなく、あくまで表記符号としてとらえる。

 

1 括弧類(挿入符/引用符)

 

種類

括弧類には、おもに次のような種類がある。縦組み用と横組み用、それぞれの起こし(始め)と受け(閉じ)を回転、または鏡像にすることによって制作する。

丸括弧()

亀甲括弧〔〕

角括弧[]

山括弧〈〉

波括弧{}

鉤括弧「」

隅付括弧【】

二重山括弧《》

二重鉤括弧『』

 

ボディ

全角のボディであるが、半角のスペースに入るようにデザインしている。組版上で約物半角という処理をすることがあり、その条件でレタースペースが保たれるようにする必要があるからである。

 

大きさ・太さ

和字書体の標準的な字面を覆うぐらいの大きさにする。本文用書体での太さは、ひらがな・カタカナより見かけ上やや弱いぐらいにする。ウエイトの太い書体では、その書体のウエイトに合わせる場合と、極端に細くする場合がある。

 

位置

ひらがな・カタカナの文字列に合わせるようにする。半角の中心ではなく、内側の文字側に寄るようになる。

 

深さ(形)

すでに大きさ、太さ、位置、さらに半角に入れるという条件の中で、判別しやすい深さにすることになる。また、二重山括弧や二重鉤括弧は、アキが狭いと潰れやすいので注意する。

※欣喜堂では鉤括弧、二重鉤括弧は短いタイプのデザインを採用している。

 

2 引用符(和字書体用)

 

ミニュート

シングルミニュート(縦組み用、横組み用)

ダブルミニュート〝〟(縦組み用、横組み用)

ダブルミニュートは、縦組み用はシングルミニュートを水平方向に並べ、横組み用は垂直方向に並べる。その間隔が狭くならないように注意しながら、半角に入れるようにする。

 

クォート

シングルクォート‘’(横組み用)

ダブルクォート“”(横組み用)

ダブルクォートは、シングルクォートを水平方向に並べる。その間隔が狭くならないように注意しながら、半角に入れるようにする。

※クォートは縦組みでは使用しない。

 

ギュメ

ギュメ

ダブルギュメ

※ギュメは和字書体としては制作していない。