活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第20回 プロポーショナル

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 手動写真植字機では詰め組用仮名文字盤が製作されていた。詰め組用という名称であるが、実質的にはプロポーショナルである。つまり一字ごとに字幅(セットウィドゥス)を設定している。

詰め組用仮名には、自動字巾検出送り機能を持ったPAVO–J以降のPAVO及びSPICA–AHの機種で使用出来るよう、字巾順にグルーピング配列した、横組用詰め仮名文字盤がある。また、PAVO–K以降のPAVO及びSPICA–AHの機種で使用出来るよう、字高順にグルーピング配列した縦組用仮名文字盤もある。縦・横組の何れの詰め組も欧文のプロポーショナル組版に相当するもので、文字盤もサブプレートの縦方向に字巾(高)順に、8/16〜16/16emの9段階に配列している。

『技術者たちの挑戦 写真植字機技術史』(布施茂編、創英社/三省堂書店、2016年)より

 

手動写真植字機では、1/16em単位だったが、現在のデジタルタイプでは1/1000em単位で設定できるようになっている。

字幅の設定はサイドベアリングを調整することで実現する。サイドベアリング値には決まったルールがあるわけではなく、均一なレタースペースになるようにすることである。例えば、縦組みの場合、「ののの」と「つつつ」が均一になるように、横組みの場合には「ののの」と「りりり」が均一になるようにする。

あまりタイトにすると判別性が損なわれることがある。特に一文字が脈絡でつながっていないタイプの「こ」や「い」のような場合には注意が必要である。

 

(欣喜堂書体では、和字書体のプロポーショナルには対応していない)