活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第21回 カーニング

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手動写真植字機では、喰い込み詰め組用仮名文字盤が製作されていた。喰い込み詰め組用という名称であるが、実質的にはカーニングである。

喰い込み詰め組用仮名文字盤として、隣接2文字を喰い込ませた状態(ペアカーニング)の2全角で収容し、一度に2文字を同時に印字できるようにした文字盤も製作し、口金マスクは横2全角用を選択して印字した。しかし、PAVO–JV以降のCRT付き写植機の出現によってその役目を終えた。

『技術者たちの挑戦 写真植字機技術史』(布施茂編、創英社/三省堂書店、2016年)より

 

プロポーショナルでは字間は問題ないように思われるが、並びの組み合わせによってはさらに調整が必要な場合がある。例えば、横組みの「し」と「て」の並びでは大きなスペースが空いてしまう。このように、サイドベアリングだけでは解決できないケースを調整する作業がカーニングである。

カーニングもデジタルタイプになって、わりと容易にできるようになった。隣接2文字についての個別の設定なので、カーニングペア(もしくはペアカーニング)と言われている。

カーニングの量は書体によって違うし、使用サイズによっても見え方が異なる。特に狭く設定しすぎて逆に目立ってしまうことのないように、少し控えめに抑えておくようにしたい。

 

(欣喜堂書体は、和字書体のカーニングペアには対応していない)