活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

欧字・第14回 ダイアクリティカルマーク

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アクセントや発音を区別するためにダイアクリティカルマーク(Diacritical marks)が必要になる言語がある。

ダイアクリティカルマークにはつぎのような種類がある。

 

Grave グレイヴ

Acute アキュート

Circumflex サーカムフレックス

A, E, I, O, Uおよびa, e, i, o, uの上に付く。

 

Macron マクロン

Breve ブリーヴ

A, E, I, O, Uおよびa, e, i, o, uの上に付く。

 

Dot ドット

E, Iおよびe, iの上に付く。ポーランド語などに使用される。

 

Tilde ティルデ

A, O, Nおよびa, o, nの上に付く。スペイン語ポルトガル語などに使われる。

 

Diaeresis ディアレシス

A, E, I, O, U, Yおよびa, e, i, o, u, yの上に付く。

ドイツ語のUmlaut(ウムラウト)とフランス語のTréma(トレマ)は、用法は異なるが同型である。

 

Hungarumlaut ハンガーウムラウト

O, Uおよびo, uの上に付く。ハンガリー語独特の記号である。

 

Ring リング

Aおよびaの上に付く。チェコ語などに使われる。

 

Caron カロン

S, Zおよびs, zの上に付く。チェコ語などに使われる。

 

Cedilla セディラ

Cおよびcの下に付く。

 

Ogonek オゴネク

A, E, I, Uおよびa, e, i, uの下に付く。

 

フローティング・アクセント(Floating accent)とは、単体のアクセント記号である。標準の文字にないアクセント付き文字が必要になったとき、これを組み合わせて使用する。制作にあたっては、フローティング・アクセントをデザインしたのちに、それぞれのアルファベットと組み合わせていく。