活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

欧字・第19回 フルピッチフォント

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full-pitch (normal) font

日本語の文章で、おもに記号としてもちいるための、字幅を全角固定にしたラテン文字を制作する。大文字、小文字、数字、記号類が含まれる。記号として使う場合に限られ、単語や文章では使わない。

基本的には、プロポーショナルのラテン文字を、ベースラインをそのままにして横移動して、視覚的に全角の中心にする。縦に並べた時に中心が揃って見えるように微調整するのだが、特に左右非対称系の文字は少しの寄り引きでも気になるので注意する。

※全角のラテン文字を、プロポーショナルのラテン文字とまったく違うデザインにしている書体もある。

OpenTypeフォントではVORGテーブルと呼ばれる縦書き時のY(上下)方向の文字位置を調整するためのデータを持たせることができる。文字が天地の中心になるように、縦書き上端ラインまたは縦書き下端ラインを設定する。縦書き上端ラインはベースラインから上端までの距離、縦書き下端ラインはベースラインから下端までの距離である。上端ラインから下端ラインまでの値が文字高さ(固定値)になる。

※縦位置でのカーニング用データの作成については、欣喜堂では対応できていない。

 

full-pitch(variation)font

上記の変化形として、ローマ数字、丸入・括弧入記号、装飾・強調記号なども制作する。

※欣喜堂では、単位記号の一部を制作していない。