活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

漢字・第1回(2) 「美華」「伯林」「倫敦」の原資料

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「美華」の原資料は、『旧約全書』(美華書館、1865年)です。「伯林」の原資料は、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)所載の「五號ゴチック形文字」、「倫敦」は「五號アンチック形文字」です。

それぞれの原資料を抜き出して拡大しました(図のグレーの文字です)。これをベースにして、活字書体として試作していきます(図のアウトラインの文字です)。まだ試作なので、これから変わっていくと思います。

 原資料を拡大したものを下敷きにして、できるだけ忠実に形を写し取っていきます。次に、筆法・結法・章法を見極めながら、活字書体としてまとめていくわけです。

ここで注意しなければならないことは、決してかっこよくしようと思わないことです。自分の考えを持ち込むのではなく、原資料のある部分をことさら強調するのでもなく、あくまで客観的に、筆法を整えたり、大きさや太さを揃えたりすることを積み上げていくことです。

それでも自分の個性は滲み出てくるものなので、それが復刻の面白さなのかもしれません。

 

「美華」

横画の起筆は抑え気味にしました。結法は空間のバランスを整える程度です。口部は下の横画から豎画が突き出していると解釈しましたが、どうでしょうか?

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「伯林」

少し角を丸くしました。結法は空間のバランスを整える程度です。「趯」は原資料のとおり直角に曲がるようにしました。口部は下の横画から豎画が突き出さないと解釈しましたが、どうでしょうか?

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「倫敦」

横画の起筆が斜めだと右上がりになりますが、垂直に入っているので、横画も水平に運筆しました。口部の豎画は、「美華」、「伯林」に合わせて垂直にしました。筆書のような解釈もできますが、「美華」、「伯林」との関係を重視しました。

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