活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

漢字・第22回 検査

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校正用出力

漢字書体の場合、誤字や異体字となっていることがある。制作中は文字のデザインに集中しがちになるのだ。まったく違う部首になっていたり、線が一本多かったり、とんでもない間違いが見落とされたということも経験している。

字体の基準となる既成書体と、制作している漢字書体と同じカテゴリーに属する書体を、当該書体を挟んだ出力物を用意している。それをもとに、当該書体のデザインの統一基準を踏まえてチェックする。

書物では、著者、編集者以外の専門の人が校正・校閲にあたる。活字書体の場合も校正専門のスタッフがチェックするべきである。

 

デザイン・チェック用出力

太さ、大きさ、バランス、寄り引きなどのデザイン面でのチェックをおこなう。ここでも制作者自身のチェックとともに、第三者の目が入ることも必要である。見えないところが見えてくることもよくあるのだ。

①タイプサイズ

テスト出力では、推奨すべきタイプサイズのほか、見出しで使われることも想定して3種類〜5種類のタイプサイズで出力する。

もちろん、いかなるタイプサイズで使ってもいいようにすべてのタイプサイズを確認するが、すべてを満足することは難しい。推奨すべきタイプサイズを集中的に見ることになる。

②組み方向

縦組みと横組みの両方で全数を出力する。おもに寄り引きをチェックする。漢字は正方形を基準にデザインするので、寄り引きの問題は少ないと思われそうだが、実際には多いのだ。その調整のために、字形を変更しなければならないこともある。寄り引きをチェックと合わせて、太さ、大きさ、バランスなども見ることになる。

③部首優先・部首外優先

漢字は共通する偏旁冠脚垂繞構がある。それらを並べることにより、統一性を確認することも必要である。

偏旁冠脚垂繞構といっても、部首になっている場合と部首になっていない場合がある。例えば「校」は木部でも確認したいし、交部でも確認したい。その両方を満足させるために「部首優先リスト」と「部首外優先リスト」を作成し、それぞれで出力テストを行っている。とくに「部首外優先リスト」は出力テストだけでなく、制作中の確認でも有効な手法である。