活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

和字・第17回 くりかえし符号・準文字

1 ひらがなに準じて制作するくりかえし符号・準文字 繰り返し符号(ひらがな用) ひらがなに合わせて制作する。 「ゝ」「ゞ」(ひらがな返し) ひらがな「う」「え」「ふ」の第一筆を参考に制作する。濁音符はひらがなと共通である。 「〳」「〴」「〵」(…

和字・第16回 促音符・拗音符・長音符

促音符 促音(「あっ」「カッ」など)であることを示すために、清音のかなに続いて小書きにする「っ」「ッ」を指す。 拗音符 拗音(「きゃ」「ミュ」など)であることを示すために、清音のかなに続いて小書きにする「ゃ」「ゅ」「ょ」「ゎ」「ャ」「ュ」「ョ…

和字・第15回 濁音符と半濁音符

濁音符(濁点) 濁音であることを示すために、清音のかなの右肩に打つふたつの点。 半濁音符(半濁点) 半濁音であることを示すために、清音のかなの右肩に打つ小さな丸。 なお、本記事においては濁音から濁音符を除いた(清音と同一の)部分を親字というこ…

和字・第14回 カタカナのナラベカタ

大きさ(ボディに対する字面の占有率) カタカナは、もともとは漢文を日本語に開く(訓読する)ための符号だった。漢字のかたわらに添える文字である。カタカナはひらがなよりも単純なために、字面率を同じにすると、間が抜けてしまい落ち着かない。だから、…

和字・第13回 ひらがなのならべかた

中学校の書写の教科書では、「漢字かな交じり文」のなかに「文字の大きさと配列」という項目がある。活字書体の場合にはボディの制約があるので、書写やレタリングのように自由ではない。ボディのなかで、どのくらいの大きさで、どの位置に入れるかというこ…

和字・第12回 カタカナのマトメカタ2

1 判別性の問題 カタカナは筆画が単純なので、似たような文字が多い。第一に注意すべきことは、誤読されないようにすることである。 ①「ソ」と「ン」、あるいは「リ」の場合 「ソ」と「ン」は、とくに和字ゴシック体においては「フリオロシ」と「フリアゲ」…

和字・第11回 ひらがなのまとめかた2

1 黒さ・太さの調整――「ね」「れ」「わ」の場合 ひらがなの設計でいちばん悩むのは「ね」「れ」「わ」の左側の、「たて・はね」と、「あたり」の繰り返しの交差するところである。その部分が黒く見えがちなのでなんとか回避しなければならない。書写では問…