活字書体をつくる

Blog版『欣喜堂ふたむかし』/『欣喜堂四半世紀』

和字・第14回 カタカナのナラベカタ

大きさ(ボディに対する字面の占有率)

カタカナは、もともとは漢文を日本語に開く(訓読する)ための符号だった。漢字のかたわらに添える文字である。カタカナはひらがなよりも単純なために、字面率を同じにすると、間が抜けてしまい落ち着かない。だから、カタカナのボディに対する字面の占有率(以下、字面率とする)は、漢字よりも小さいのはもちろんのこと、ひらがなよりも小さくするのが一般的である。

近代になると、カタカナは外来語や擬音語などを表記する役割が与えられ、漢字と同じように名詞などで使われることになり、ひらがなと同じ文字列で並べられるようになった。とくに外来語の多い翻訳小説や技術書などでは、ひらがなと同じぐらいの字面率が求められるようになった。

欣喜堂の書体においては、原資料でのカタカナの字面率をそのまま生かすようにしている。今後の使われ方、要望によっては、字面率を大きくしたバージョンを制作し翻訳小説や技術書でも使えるようにする必要があるかもしれない。

 

寄り引き(ボディに対する字面の位置)

カタカナもひらがなと同じで、全角のボディに対して見た目で真ん中になるように天地左右のアキを見ながら配置することが基本である。また縦組みと横組みの両方で使用されるので、縦組みと横組みで異なる見え方をしないかどうかも考慮する必要がある。

最終的には、実際に組んでみて寄り引きを調整することになる。見落としのないように、すべての組み合わせでチェックするが、名詞で使われることの多いカタカナでは、単語を組んでみることがより効果的かもしれない。

 

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傾き(ボディに対する字面の姿勢)

カタカナのヨコ筆が右上がりになるような書体では、実際に並べてみると不揃いになっていることがある。回転させるだけでは直せないので、結構そのものを修整する必要がある。