活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

[漢字]01  原資料

漢字・第1回(2) 「美華」「伯林」「倫敦」の原資料

…… 「美華」の原資料は、『旧約全書』(美華書館、1865年)です。 「伯林」の原資料は、『座右之友』(東京築地活版製造所、1895年)所載の「五號ゴチック形文字」、「倫敦」は「五號アンチック形文字」です。 (参考:『座右之友』所載の「五號明朝」) …………

漢字・第1回 復刻、翻刻、そして新刻(漢字書体)

復刻(活字→活字) 筆者が仕事として最初に取り組んだ漢字書体は『広漢和辞典』(大修館書店)用石井細明朝体(特注)だった。写植文字盤から48mm角のサイズに拡大したフィルム原字を修整した。 仿宋体(簡体字・繁体字。日本語版の紅蘭細宋朝体は販売されて…

「蛍雪」の原資料

『欽定全唐文』(1814年、揚州詩局)の1ページを拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「蛍雪」として完成させていく。

「金陵」の原資料

明末の南京国子監刊本である『南斉書』(1588-1589)の1ページを拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「金陵」として完成させていく。

「龍爪」の原資料

宋代の四川地方の刊本である静嘉堂文庫所蔵の『周礼』(巻第九・巻第十)を拡大し、双鉤填墨法によってアウトライン化した。そこから筆法・結法・章法を見極めながら書風をくみとり、意臨するがごとく、活字書体「龍爪」として完成させていく。