活字書体をつくる

Blog版『活字書体の設計図』

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「志安」の概形・抱懐

第一法 長法 「志安」の東字も、最大字面は正方形に近いが、概形・抱懐から見れば、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。概形・抱懐が「陳起」よりさらに長方形になっているのは「志安」が、全体的に長形になっているということ…

「陳起」の概形・抱懐

第一法 長法 「陳起」の東字を箱に入れようとすると、豎画と掠・磔の先端があるので、その箱は正方形に近い。だが、概形・抱懐を重ね合わせると、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。最大字面との差は大きいが、抱懐を極端に締…

漢字・第11回 概形と抱懐

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四法」を下敷きにして、活字書体に当てはまらない八法を除いて「活字書体結構三十六法」として再…

「陳起」の主要十二部首

①人部 第二画の起筆①は接触しているので軽くし、収筆②に向かって太くなっている。 ②土部 字種によって異なるが、第一画の起筆①より第三画の起筆②のほうが内側になることが多いようだ。第三画③は「収筆を省略した横画」という意識で水平に近くなっている。 ③…

漢字・第10回 主要十二部首

筆法の複合形として、ちくま新書の『日本の文字』(石川九楊、筑摩書房、2013年)に倣って、主要な部首をまとめてみた。これを「主要十二部首」ということにする。 少し整理して、①から⑤が偏、⑥と⑦が傍、⑧が冠、⑨が脚、⑩が垂、⑪が繞、⑫が構という構成に改め…