活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

[漢字]06 結法1

漢字・第20回 大きさの調整

…… ひとことで大きさの調整といっても、易しいことではない。 活字書体の学習の第一歩として、まず◆、■、▲、▼のように図形で練習する。◆に対して、■は小さくしないと同じ大きさにはならない。どのぐらいのい大きさにするのかを感覚的につかむ練習をするので…

漢字・第19回 太さの調整

…… 書体見本に「鬱」「酬」「鷹」を入れている活字書体の制作プロダクションがある。 漢字には「三」「力」「今」といった画数の少ない字種から、このような画数の多い字種もある。「三」「力」「今」と「鬱」「酬」「鷹」の画線を同じ太さにすると、文字全…

漢字・第12回 整斉と参差

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。筆法をエレメント、結法を字形という人もいるが、わたしは筆法、結法ということにしている。 結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四…

「美華」の概形・抱懐

第一法 長法 「美華」の東字も、概形・抱懐から見れば、自・身・月と同じように、長形になっている。中央の閉じられた部分を締めることによってもともとの長形のイメージを保ちつつ、横画を長くして、より正方形に近づこうとしている。そのため、最大字面の…

「志安」の概形・抱懐

第一法 長法 「志安」の東字も、最大字面は正方形に近いが、概形・抱懐から見れば、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。概形・抱懐が「陳起」よりさらに長方形になっているのは「志安」が、全体的に長形になっているということ…

「陳起」の概形・抱懐

第一法 長法 「陳起」の東字を箱に入れようとすると、豎画と掠・磔の先端があるので、その箱は正方形に近い。だが、概形・抱懐を重ね合わせると、自・身・月と同じように、もともと長く書く字であることがわかる。最大字面との差は大きいが、抱懐を極端に締…

漢字・第11回 概形と抱懐

筆法は筆画ひとつひとつをどう画くかということであり、結法は組み立て方である。結法(結構法)については、佘雪曼(シャ・セツマン、1908−1993)の「結構四十四法」を下敷きにして、活字書体に当てはまらない八法を除いて「活字書体結構三十六法」として再…