活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

欧字・第16回 アディショナル・グリフ1

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リガチュア

ligatures

リガチュアとは、fi,flのように複数の文字をつなげて1字として制作するグリフである。ぶつかりを解消して読みやすくするのが目的である。

一般的に単体のfやiとは違う字形になる。つまり、ffのバーがつながっていることや、iのドットがfの頭部と一体化していることが標準である。

 

重母音

diphthongs

重母音Æ,æデンマーク語やノルウェー語で、Œ,œはフランス語で使われる。英語では使われない。ひとつの文字という扱いなので、字間をあける場合でも決してふたつには分かれない。

 

エスツェット

eszett

エスツェットßは、昔ドイツ語で使われていたロング・エスとショート・エスがつながったもので、ドイツ語では日常的に使われる。大文字の場合にはSSとなる。また同じドイツ語でもスイスではssと綴る。

 

アンパーサンド

ampersand

アンパーサンド&は、文字のかたちとしてはフランス語の「et」に由来する。装飾的な効果をねらったもので、現在は文章中では使わない。書体によっていろいろな形がある。

 

西欧や北欧の言語に必要なグリフ

L slash, l slash, O slash, o slash

Eth, eth, Thorn, thorn, dotless i

西欧や北欧の言語に必要となるグリフである。