活字書体をつくる

Blog版『活字書体の仕様書』

漢字・第5回 十字二法

十字二法は横画と豎画で構成される。

 豎画は柱、横画は梁である。

1 横画

 横画は、起筆・送筆・収筆から成り立つ(三折法)。

2 豎画

 豎画は、起筆・送筆・収筆から成り立つ(三折法)。

 

十字二法の展開として、「三字三法・川字三法」というのがある。三字三法は横画の筆法、川字三法は豎画の筆法である。

1 三字三法(横画)

①第一画は「仰」で、収筆部にむけて上に反る。

②第二画は「平」で、まっすぐに運筆する。

③第三画は「覆」で、起筆部と収筆部が下がっている。

2 川字三法(竪画)

①第一画は「向」で、送筆部が右にふくらんでいる。収筆は左にカーブを描きながら引き抜くが、書体によっては第一画を引き抜かないで留めたり跳ねたりする書き方がある。

②第二画は「直」で、まっすぐに運筆する。

③第三画は「背」で、第一画とは逆に送筆部が左にふくらんでいる。

文字全体は、第一画と第三画が反り合ったように構成される「背勢」となる(向・直・背)場合のほかに、第一画と第三画が反り合ったように構成される「向勢」となる(背・直・向)場合がある。